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CLT(Cross Laminated Timber)がわかる専門メディア

サプライチェーン改革でCLT住宅の建設コストを削減できる

サプライチェーン改革でCLT住宅の建設コストを削減できる

2024/04/23

CLTの工法には、CLTパネル工法、軸組工法+CLTパネル、混構造の3つがあります。製造コストはマザーボード価格、加工費、輸送費から構成されます。MEC IndustryのMOKUWELL HOUSEは、CLTを用いた住宅で低価格と高品質を両立しています。CLTの導入により、耐震性が向上し大空間が可能になると同時に、優れた断熱性能も提供されます。

さまざまな種類があるCLTの工法とは?

CLTの工法には、CLTパネル工法、軸組工法+CLTパネル、混構造の3つがあります。CLTパネル工法は、既に加工されているCLTパネルを現場に搬入し、箱状の構造を形成する工法です。軸組工法+CLTパネルは、木造軸組工法とCLTパネルを組み合わせた工法で、広い空間を実現できるメリッがあります。混構造は上層と下層で異なる構造を組み合わせます。

◇CLTパネル工法

工場で加工したCLTパネルを現場に持ち込んで、箱状の構造を形成します。現場で調整作業が不要なため、工期を短縮でき、デザインの自由度が高いのも特徴です。CLTパネルの耐震性と軽量性により、地盤補強工事が不要になるケースも少なくありません。

◇軸組工法+CLTパネル

柱梁の木造軸組工法と、水平力を負担するCLTパネル、鉛直力を負担するCLTパネル、CLT床版を組み合わせる工法です。構造計算の手順は、従来の木造軸組工法と同様です。鉛直荷重は柱が支えるため、壁を減らして開放感のある広い空間を実現できます。

◇混構造

下層をRC造あるいはS造とし、上層にCLTを使用する構造です。反対に、CLTを下層に使用し、上層を木造軸組工法やS造にすることも可能です。通常、各層ごとに異なる構造形式を採用します。同一層でふたつ以上の構造形式を組み合わせることもできますが、その場合はより高度な技術が必要です。

CLTの製造コストと建築コスト

CLTの製造コストは、マザーボード価格、加工費、輸送費で構成され、販売価格には接着剤や加工費用なども含まれます。岡山県が行ったCLT造とRC造の建築コストを比較検討では、建築コストはほぼ同額であることが分かりました。CLTの利点として、基礎工事の簡略化、現場作業人員数の削減、工期短縮が挙げられます。

◇CLTの製造コスト

CLTの製造コストの内訳は、基本的にマザーボード(原判)価格、加工費、輸送費で、構造設計費用や建設費用などが含まれる場合もあります。CLTのマザーボードの最大面積は大きく、最大で幅3,000mm、長さは12,000mmです。

ただし、この最大面積でCLTを量産することはなく、一般的に建物に必要な寸法を元に複数の寸法を組み合わせて最適な歩留まりを算出し、マザーボードを製造します。

販売価格は製造企業によって異なりますが、購入する際は接着剤、現し、節補修、加工、設計などにかかる費用も別途発生することもあります。

◇建築コストはRC造と同じという結果も

岡山県が一般社団法人岡山県建築士事務所協会と連携して、浅口市内にある2階建てのCLT建築物を用いて、RC造とS造との比較検討を行いました。建築コストに関しては、一定の条件下であれば、CLT造とRC造、S造はほぼ同額の結果となりました。基礎工事が簡略化できプレ加工ができるため現場作業人員数を減らせ、工期短縮に対応しやすいのもCLT造の利点です。

低価格を実現MOKUWELL HOUSE

MEC Industryは7社の企業が出資した総合林業事業会社で、鹿児島県湧水町に本社工場を構えています。総合型最適化モデルを採用し、工場で部材を作り現場で組み立てる工法を採用することで、CLTを活用した規格型の戸建てを低価格で販売することに成功しました。

◇MEC Industryとは

三菱地所をはじめ7社の企業の出資を受けて2020年に設立された総合林業事業会社です。本社工場は、鹿児島県湧水町にあります。

丸太の調達から加工、製材、商品の開発、製造、販売までの一連の工程を一貫して行う「総合型最適化モデル」を採用し、高品質な商品を安定的かつリーズナブルな価格で提供しているのが特徴です。

木を活用する事業が高く評価され、ウッドデザイン賞2022で最優秀賞を受賞しています。

◇低価格を実現したMOKUWELL HOUSE

MOKUWELL HOUSEは、天井と床にCLTを活用し、あらかじめ工場で作っておいた部材を現場で組み立てる工法を採用した規格型の戸建てです。

MEC Industryは、国産材を使用し自社工場で製造・組み立てを行っています。中間コストと現場作業員の人数を削減することで、MOKUWELL HOUSEを低価格で提供することに成功しました。

この住宅は、低価格でありながら、高品質かつ高性能な生活スタイルを実現できます。

CLTを住宅に取り入れて強固な家づくり

CLTの一般住宅への導入には、多くの利点があります。耐震性が高く、少ない量でも十分な耐震性を確保できるため、構造壁を減らし大空間を実現できます。木の美しさを活かしたデザインも可能で、経年変化も楽しめます。

CLTはコンクリートや鉄と比べて10倍から400倍もの断熱性があり、光熱費の削減に効果的です。

◇耐震性を高め大空間を可能に

一般住宅にCLTを導入する利点は多岐にわたります。ひとつ目の利点は、耐震性です。CLTは他の木材よりも強度が高いため、少ない量でも耐震性を確保できます。耐震性に優れていると構造壁が減らせるため、大空間も実現できます。

また、木の表面をそのまま利用することで、内装を木の美しさを活かしたデザインにできるのも魅力です。この手法を現し(あらわし)といい、木の経年変化も楽しめます。

◇優れた断熱性

木材から伝わる温かみに加え、断熱性に優れている点もCLT住宅の利点です。CLTが断熱性に優れている理由は、木材は微細な空気の入った穴(細孔)で構成されていて、この空気が熱を遮断する働きをしているからです。

木材の断熱性能は、コンクリートの10倍、鉄の400倍とされていて、10cmのCLTパネルは1.2mのコンクリートや5cm厚のグラスウールと同じくらいの断熱性を持ちます。

CLTを使った断熱工法には内張断熱と外張断熱のふたつがあり、小規模な建物では外側に断熱材を取り付けて、中・大規模な建物では内側に断熱材を使って断熱性を確保します。

住宅の断熱性を高めておくと、1年を通じて快適に過ごせるだけでなく、光熱費削減にも効果的です。


CLTの工法は、CLTパネル工法、軸組工法+CLTパネル、混構造の3つがあります。CLTパネル工法は、加工されたCLTパネルを箱状の構造に組み立てる方法で、現場作業を最小限に抑えることができます。軸組工法+CLTパネルは、木造軸組工法とCLTパネルを組み合わせて使用し、大空間を実現するメリットがあります。混構造は、異なる構造を上下層に組み合わせる方法です。

CLTの製造コストは、マザーボード価格、加工費、輸送費が主な要素であり、建築コストと比較してもほぼ同等であることが示されています。

MEC IndustryのMOKUWELL HOUSEは、CLTを活用した住宅で、低価格で高品質な家を提供しています。

CLTを住宅に取り入れると、耐震性が高まり、大空間を実現することができます。また、CLTの断熱性能は高く、光熱費の削減にも効果的です。

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