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CLT(Cross Laminated Timber)がわかる専門メディア

耐火に優れたCLT建築~いま木造中高層建築が注目!

耐火に優れたCLT建築~いま木造中高層建築が注目!

2023/07/20

「コンクリートジャングル」という言葉すら過去のものとなった現在の街並みですが、温暖化が強くなった昨今ではコンクリートと金属で構成された街はより危険なゾーンとなりつつあります。
建築業界は「クロスラミネーテッドティンバー」(Cross-Laminated Timber:CLT)という、新たな建築材料の可能性に目を向けています。この素材は中高層建築でも使用可能であり、耐火性に優れているため、現代の建築に革新をもたらし、都市の風景を再び変える可能性を秘めています。

CLTの特性

CLTは、板状の木材を交互に重ね合わせて接着した構造材で、その強度と安定性は鉄骨やコンクリートに匹敵します。その結果、これまで木材を主要な建築材料として使用することが難しかった中高層建築でも、CLTを利用することで実現可能になりました。

さらに、CLT建築は環境に配慮した選択でもあります。木材は再生可能な資源であり、生産過程で二酸化炭素を吸収する一方、製造プロセスでは比較的少量のエネルギーしか必要としません。これに対して、鉄骨やコンクリートの製造は大量のエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出します。

今日、都市の高層建築物は増え続けていますが、それらの大部分はコンクリートや鉄骨によって構築されてきました。しかし、これらの素材の環境負荷と、都市が直面する持続可能性の課題を考慮すると、CLTを用いた木造の中高層建築は、都市環境の改善、そして未来の持続可能な都市形成の一部となる可能性を持っています。

都市の高層建築物は現代のスカイラインを特徴づけ、我々の生活と仕事の場を提供しています。しかし、これらの巨大な建造物を建てるために必要な材料、特にコンクリートや鉄骨は、生産過程で大量の二酸化炭素を排出し、それが地球温暖化の原因となっています。その結果、建築業界は、持続可能性について再考し、建築の環境負荷を軽減する方法を探し始めています。

この文脈で、CLTを用いた木造の中高層建築は、革新的な解決策の一つとして注目を浴びています。木材は、成長過程で二酸化炭素を吸収し、それを長期間蓄積することができます。また、木材の製造過程は、コンクリートや鉄骨の製造に比べてはるかにエネルギー効率が高く、その結果、二酸化炭素排出量も少ないです。

さらに、木材は再生可能な資源であり、適切に管理された森林から持続可能に供給することが可能です。これは、地球の資源を維持する上で重要な考え方であり、都市が直面する持続可能性の課題を解決する手段として有効です。

また、CLTを用いた建築は、建築物自体が大量の二酸化炭素を貯蔵する「炭素シンク」となる可能性があります。この概念は、建築物が単なるエネルギー消費体から、積極的な環境負荷軽減の役割を果たす存在に変わることを示しています。

これらの理由から、CLTを用いた木造の中高層建築は、都市環境の改善と未来の持続可能な都市形成に大きく貢献する可能性があります。そのため、さらなる研究と開発が進められ、木造の中高層建築が一般的になることが期待されています。

驚異の耐火性能~CLTの耐火性能とは

加えて、CLTは耐火性に優れています。一般的に、木材は燃えやすいと考えられがちですが、CLTの厚さと密度はそれを大きく覆します。表面が焼けると炭化層を形成し、その下の木材を保護します。この特性により、CLTは高温に晒されても一定時間内では構造的な強度を保つことが可能です。

通常、木材は燃えやすいというイメージがあります。それは木が自然の繊維質素材であり、火気に触れると容易に発火し、続けて燃焼するからです。しかし、CLTはその特性を覆す、一風変わった耐火性能を持っています。

CLTは交互に積み重ねられた層で構成されており、その厚さと密度が耐火性に寄与します。これらの層は、火災が発生した場合、互いに保護し合う役割を果たします。外側の層が燃えると、表面が炭化し、その炭化層が火の進行を阻止します。この炭化層は熱伝導率が低く、内部への熱の伝達を遅らせる効果があります。それにより、構造の内部まで火が達する前に、火の進行が遅延または停止します。

さらに、CLTは燃焼により弱化するのではなく、火災の初期段階での炭化が、構造的強度を維持するのに一役買っています。炭化層が形成されると、その下の木材は保護され、燃焼から遮断されます。これにより、CLTは火災にさらされた場合でも、一定時間内にはその構造的な完全性と安定性を保つことができるのです。

したがって、その耐火性能はCLTが中高層建築物に使用可能な建材であり、さらにはこれらの建築物が火災時にも安全であることを可能にする重要な要素となっています。これにより、CLTは現代の建築技術における革新的な素材として、その地位を確立しているのです。

CLTを体験し触れることができるスペース

このような新素材CLTを実際に体験し、触れることができるスペースが東京にあります。ティンバラム東京支店のショールームです。

ここではCLTを用いた建築の魅力と可能性を見ることができる場となっています。内部は木の質感と香りに溢れています。その温かみと快適さは、CLTの素材としての優れた特性を体感する絶好の機会となっています。

ショールームでは、CLTの耐火性や耐震性、さらにはそのサステナビリティについても詳しく学ぶことができます。また、ティンバラムの専門スタッフが、CLTの生産プロセスから設計・施工までの詳細を説明し、CLTを用いた建築物の多様な事例を紹介しています。

このスペースはまた、CLTを用いた建築の可能性を探求し、新たなアイデアを生み出すためのインスピレーションの場ともなっています。建築家、設計者、学生、そして一般の人々が集まり、持続可能な建築材料としてのCLTについて議論し、学び合うことができます。

ティンバラム東京支店のショールームは、まさにCLTの未来を体感できる場所と言えるでしょう。そこに訪れることで、CLTが持つ可能性と、それが私たちの未来の都市環境にどのように貢献できるかを理解することができます。


木の温もりと自然な美しさを持つCLT建築は、住民にとってより快適な空間を提供します。そしてその耐火性と強度は、安全性と耐久性を確保することを可能にします。これらの特性は、CLTが今後、都市の新たなランドマークとなり、都市計画の未来に大きな影響を与えることを示しています。

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