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CLTの優れた断熱性能とデザインも注目したい高断熱住宅の事例

CLTの優れた断熱性能とデザインも注目したい高断熱住宅の事例

2024/02/26

画像出典先:日刊工業新聞電子版

CLTは木材の多孔質性により高い断熱性を持ち、コンクリートに比べて13倍もの熱伝導率を示します。燃焼実験では高い遮熱性が示され、省エネ効果が期待されます。エネマネハウスや湯川村の事例では、CLTを使用した高断熱住宅が注目され、デザイン性と省エネ性が高く評価されています。

コンクリートに比べ熱伝導率で13倍の違いも

CLTは多孔質材料で、10cm厚のCLTは1.2m厚のコンクリートや5cm厚のグラスウールと同等の性能を持ち、燃焼実験では高い遮熱性が示されました。さらに、CLTはコンクリートに比べて13倍もの熱伝導率を持ちます。

◇CLTの遮熱性能

木材の断熱性は素材内の気孔の量に左右されますが、CLTは多孔質材料であるため高い断熱性を実現しています。木材ごとの実験では、10cm厚のCLTパネルは1.2m厚のコンクリートや5cm厚のグラスウールと同等の性能を示しました。また、CLTを使った建物の燃焼実験では、1時間後に仕切り壁を設けた防火戸が燃えるとき、建物内の温度が最高で1,000度を超えましたが、仕切りを挟んだ隣の部屋は18度に保たれ、高い遮熱性が示されました。

◇CLTの高い断熱性能と省エネ効果

CLT素材を使用した木造建築と一般的なコンクリートを使用した建物を比較した場合、コンクリート建築の方がCLTの木造建築よりも約13倍もの熱伝導率があることが明らかになっています。

つまり、CLTの木材10cmの厚さと同等の断熱性能をコンクリートで実現するには、130cmの厚さが必要であるということです。また、建物全体で貫通した熱量を比較すると、8月の夏場にはコンクリート建築の方がCLT木造建築よりも5倍近い熱量が通過しました。これは、コンクリートが昼間に蓄熱した結果だと考えられます。

これらの研究結果は、CLTが高い断熱性能を持ち、それによって高い省エネ効果が期待できることを示唆しています。

冷暖房費に効果ありCLT高断熱住宅

引用元:パナソニック 公式サイト

エネマネハウスは高気密性と断熱性を持ちながら、個々の空間にCLTを活用し、高機能な設備を備えています。一方、ネオ・トラッド湯川は、福島県湯川村に建設された東日本初のCLT建築で、エアコン1台で冬も快適に過ごせます。

◇エネマネハウスのCLT高断熱住宅

CLTを使った高断熱住宅の実例は、エネマネハウスのプロジェクトで見られます。このプロジェクトは大学と民間企業が協力し、先進技術を用いて将来のモデル住宅を建設し、環境やエネルギー性能を測定・実証し、展示を通じて先進的な住宅の普及を目指しています。

エネマネハウスでは様々な建築が行われていますが、CLT高断熱住宅の事例として注目されるのは、芝浦工業大学が2014年に出展したものです。この住宅では、個々の空間、例えば寝室や台所・水回りにCLTを用いた環境シェルターが採用されました。

高い気密性と断熱性を持ちながら、高機能な設備を一体化させたこの建築は高く評価され、People’s Choice Awardを受賞しました。この作品は、CLT高断熱住宅の実例として注目されています。

◇エアコン1台で快適な冬を過ごす

ネオ・トラッド湯川は、福島県湯川村に建築された東日本初のCLT建築です。この共同住宅は4世帯が入居可能で、厳しい冬が訪れる湯川村でもエアコン1台で快適に過ごせるように、高い断熱性を目指しています。

この住居は「CLT等新製品・新技術実証展示プロジェクト」の一環として建設され、同県で生産された木材を使用したCLT素材を活用しています。室内外の温湿度を定期的に計測し、高い保湿性能が確認されました。今後も情報収集を続け、将来の向上に努めています。

デザインも優れたCLT高断熱住宅の事例

Jパネル(36mm厚CLT)のヴォールト屋根の家は、美しい外観と内観を持ちます。W・E邸は強さと美しさを備えたCLT建築で、生活のしやすさも注目されます。また、CBCハウジング・ヒノキブン名駅北展示場は、東海地区で初めてツーバイフォーとCLTを組み合わせた建築です。

◇Jパネル(36mm厚CLT)で構成されたヴォールト屋根の家

Jパネル(36mm厚のCLT)で構成されたヴォールト屋根の家では、屋根と棚にCLT素材を使用しています。屋根は北側の桁上と南側の地伏梁で支持され、アーチ状のヴォールト形状が特徴です。美しいカーブを描いた外観と、幾重に連なった水平材が魅力的な内観を持つ、デザイン性豊かな建築物です。

竣工年月:2022年12月
延べ床面積:142.6㎡
CLT利用部分:屋根・棚
所在地:山形県東根市

◇W・E邸

W・E邸は、「強く、美しく、そして私らしく」というコンセプトを持つCLT建築住宅です。寒冷地向けに設計され、屋根や床にCLTスラブ板を使用し、高い断熱性とデザイン性を兼ね備えた構造です。力強さを感じさせるフラットな屋根とデッキが特徴で、内装では生活のしやすさが重視されています。

竣工年月:2022年5月
延べ床面積:59.00㎡
CLT利用部分:壁・床・屋根
所在地:青森県上北郡六戸町

◇CBCハウジング・ヒノキブン名駅北展示場

CBCハウジング・ヒノキブン名駅北展示場は、東海地区初のツーバイフォーとCLTの混合構造の建築物です。2階の床や3階の天井など、各所にCLT素材が使用されています。CLTは高い断熱性などで注目されていますが、デザイン面でも魅力的であることを証明するため、展示されています。

竣工年月:2020年3月
延べ床面積:156.78㎡
CLT利用部分:2階床・3階勾配天井・2階と3階の壁
所在地:愛知県名古屋市


CLTは多孔質材料で、10cm厚のCLTは1.2m厚のコンクリートや5cm厚のグラスウールと同等の性能を持ちます。燃焼実験では高い遮熱性が示され、13倍もの熱伝導率を持つことが明らかになりました。

CLTの高い断熱性能は、木材の多孔質性に起因しています。さらに、建物の燃焼実験では、CLTを使用した建築物は高い遮熱性を示しました。これらの特性により、CLTはコンクリートに比べて省エネ効果が高いことが示唆されました。

エネマネハウスや湯川村の事例を通じて、CLTを用いた高断熱住宅が省エネ効果とデザイン性の両面で注目を集めています。エネマネハウスでは、CLTを活用した建築物が展示され、高い気密性と断熱性を兼ね備えた設計が評価されました。湯川村の共同住宅では、CLTを使用した建築物が厳しい冬でも快適に過ごせる設計となっています。

さらに、JパネルやW・E邸、CBCハウジングなどの具体的な建築事例を紹介しました。これらの建築物は、CLTを使用したことでデザイン性が向上し、高い断熱性を実現しています。これらの事例は、CLTが実用的かつデザイン的に優れた建築材料であることを示しています。

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