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CLT(Cross Laminated Timber)がわかる専門メディア

CLT製造の木材の種類は?建築素材の特徴や施工時の注意点を解説

CLT製造の木材の種類は?建築素材の特徴や施工時の注意点を解説

2024/01/23

CLTは、スギやヒノキなどの木材を原料とした新たな建築資材です。断熱性、遮炎性、遮熱性、遮音性に優れ、工期の短縮など多くのメリットがあります。しかし、価格の高さや知識・経験の不足、工法の難しさなどが課題となっています。

CLTに用いられる木材の種類とは

CLTは複数のひき板を積層圧縮することで作られますが、その原料となる木材の種類は複数あり、場合によってはいくつかの種類の木材を組み合わせたハイブリッド材とすることもあります。

◇スギ

日本の建築材として多く用いられるスギは、木目が直線的で加工がしやすいことから建材に適しています。

軽量で施工性も高いことからCLTに向いている部材であり、ゼネコンでは耐震壁のパネル材として採用されています。

◇ヒノキ

ヒノキは耐久性の高い針葉樹として、古くから日本の寺社建築にも使われてきました。防虫効果も期待できることから、CLTとして建築資材だけでなく家具用材や造作材としても採用されています。

◇スギとヒノキのハイブリッド

ハイブリッド材として最も使われるスギとヒノキのハイブリッドは、強度と費用の面で互いの長所を生かした部材です。曲げに弱いスギにヒノキが強度を補うことで、部材全体の強度が向上します。

一方で、価格が高いヒノキにスギを合わせることで、部材全体の価格を抑えることに繋がります。

◇カラマツ・トドマツ

乾燥すると割れや狂いが生じやすいカラマツや北海道に多く分布するトドマツについても、近年はCLTの原材料として活用が進んでいます。

カラマツ・トドマツを使用したCLTはスギと比べて強度が高く、原料の値段は年々上昇傾向にあります。

CLTの特徴とは?他の素材と比較しよう

引用元:Architect

直交集成材であるCLTは断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性にも優れた部材であり、工期の短縮などが期待できるメリットを持っています。

木目方向や接着方法が異なるLVLやNLTなども含めて、木質系積層建材を選定する際にはそれぞれの特徴に合わせて適材適所で取り入れることが大切です。

◇CLTの特徴

CLTはひき板を繊維方向が直交するように積層させて接着した木質系材料で、建築躯体としてだけでなく土木用材、家具材として近年活用が進んでいます。

CLTを採用することで、工場で一部の材料を組み立てた後に現場に搬入を行うプレファブ化が可能となります。

そのためCLTは施工工期の短縮を見込める点が大きな特徴です。

また断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性にも優れた部材であり、重量が軽いことで基礎コスト・材料輸送費を抑えることができるのも魅力と言えるでしょう。

◇LVLやNLTなどとはどう違う?

CLTの他にも建築においてはLVLやNLTなどの木質系材料が用いられます。

まずCLTはひき板の向きをジェンガのように積んでから圧縮する直交集成材と呼ばれる部材です。その一方で、LVLはひき板の向きを平行に揃えて積層接着した部材で、単板積層材と呼ばれます。

このように同じひき板を積層圧縮している部材であっても、CLTとLVLでは木目方向に違いがあります。

またCLTとLVLは接着剤によって接合されているのに対し、NLTは接着剤も釘も使用せず木ダボで接合されているのが特徴です。

◇適材適所で木材を選定する

木質系積層建材は木目方向や接合方法が異なるため、デザインだけでなく強度にも違いがあります。

CLTは汎用性が高い一方でコストが高く、LVLは生産性が高い一方で加工しにくく、NLTは強固であるけれど釘が加工に影響するなど、部材ごとに一長一短の特徴を持っています。

そのため木質系積層建材を選定する際には、施工部分に最適なものを適材適所で取り入れることが重要です。

CLTの特徴を活かした建築を行う

CLTは日本の抱える森林環境問題や地球温暖化の解決に有効な建築資材として期待されていますが、価格の高さや技術者の知識や経験不足、工法の難しさから普及が進んでいないのが現状です。

CLTの普及を促進する上で、製造能力の高い業者のスケールメリットを活かしながら価格を抑えてCLTを取り入れることが課題です。

◇CLTは環境にやさしい素材

CLTは日本の林業や森林環境、地球温暖化が抱える問題の解決に貢献する構造材として近年注目が集まっています。

特に現在日本の林業では荒廃する人工林の増加が問題となっており、CLTの活用によって森林の適切な活用が期待されています。

また国内の人工林の約半数が伐採適齢期を迎えているため、これらを伐採してCLTに加工することは炭素循環と持続可能な森林管理に繋がるでしょう。

さらにCLTはRC造よりも環境負荷が低いことから、環境にやさしい素材として今後も普及が期待されています。

◇現状は普及していない

環境問題の解決に向けてCLTの普及が建築業界全体で叫ばれている一方で、現状ではCLTは普及が進んでいません。

その背景にはCLTの価格の高さに加えて、設計者や施工者のCLTに対する知識や経験が不足していることがあります。

また現場でのインセンティブの低さに加え、工法そのものの難しさもCLTが普及しない大きな課題点と言えるでしょう。

◇適正な素材を用いる製造能力の高い業者に依頼

CLTを製造する業者の中でも、JAS規格に合わせたCLTを製造する業者は限られています。

JAS規格の認定を受けたCLTは、精度が高く構造計算や燃え代設計にも対応しているため、技術者にとっても活用しやすい部材と言えるでしょう。

そのため適正な素材で規格化されたCLTを用いることで、建設現場への普及が期待できます。

また高価であるCLTをなるべく費用を抑えて入手するためには、年間の製造量が多い業者に依頼することが有効です。

製造能力が高い業者はスケールメリットを活かして製造単価を抑えることが可能となるため、CLTの値段を抑えることができます。

普及が進むにつれてCLTの値段も手が届きやすくなることから、まずはCLTの取り扱いに慣れている業者に依頼しながら建築に取り入れていくことが大切です。


CLTは日本の建築業界で注目されている新たな建築資材で、その原材料としてスギやヒノキなどの木材が使われています。スギは直線的な木目と施工性の高さからCLTに適しており、特に耐震壁のパネル材として採用されています。一方、ヒノキは耐久性が高く、防虫効果も期待できるため、CLTだけでなく家具や造作材にも使われています。

さらに、スギとヒノキを組み合わせたハイブリッド材も存在し、それぞれの長所を生かして強度と価格の面で優れた部材となっています。また、カラマツやトドマツなども近年CLTの原材料として利用されており、これらの木材はスギに比べて強度が高いとされています。

CLTの特徴として、断熱性、遮炎性、遮熱性、遮音性に優れ、工期の短縮など多くのメリットがあります。ただし、CLT以外の木質系積層建材であるLVLやNLTなども存在し、それぞれ特徴が異なります。適材適所で木材を選定し、CLTを活かした建築を行うことが大切です。

CLTは環境にやさしい素材として注目されており、森林環境問題や地球温暖化の解決に貢献できる資材です。しかし、現在の普及率はまだ低く、価格の高さや知識・経験の不足、工法の難しさが課題となっています。

CLTの普及を促進するためには、製造能力の高い業者を活用して価格を抑え、環境に優しい建築に取り入れることが大切です。 JAS規格に合致したCLTを利用することで、精度の高い部材を入手できます。また、高生産量の業者に依頼することでコストを削減でき、CLTの普及が進むことで価格も手ごろになるでしょう。CLTを活用し、持続可能な建築に貢献しましょう。

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