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CLTの寿命はどれくらい? 寿命を伸ばすコツも紹介

CLTの寿命はどれくらい? 寿命を伸ばすコツも紹介

2024/05/31

近年、CLT木材を使用した建築物が増加しており、耐久性や耐震性に優れているとされていますが、実際の寿命は未確定です。一般的な木造住宅の寿命は50〜100年程度であり、CLTの耐用年数は100年以上と言われていますが、接着剤の劣化などにより寿命が短くなる可能性もあります。

また、CLT工法は環境にも優しいとされ、適切なメンテナンスにより耐用年数を伸ばすことができます。しかし、周囲の環境や気象条件によっては、劣化が進みやすいため、地域性や周辺環境を考慮した対策やメンテナンスが重要です。

CLTの寿命は未確定?

近年建築業界では、CLT木材を使用した建築物が増加していますが、もともとヨーロッパ発祥の工法です。現在ではイギリス・スイス・イタリアを中心に活用されています。日本でもCLT×S造のハイブリッド型などさまざまなタイプの建築物が増えていく中で、気になるのがCLTの寿命です。

◇CLTの寿命はまだ分からない

CLTは世界でも注目されており、近年では住宅や中高層のマンション・ビルなどをCLTで建築するケースも増加しています。耐久性や耐震性に優れているといわれていますが、実際のところ、CLTの寿命は分かっていません。

一般的な木造住宅とは異なり、CLT木材を使用した建築物で数百年、数千年経過している建築物がないためです。正確にどのくらい持つのか定かではなく、現段階では予測でしか判断ができません。

◇一般的な集成材の寿命

JAS規格に認められた接着剤を使用し、基準を守って作られたCLTのような集成材は、一般的な使用環境において50年~70年は持つと考えられています。さらに、耐久性の高い接着剤を使用すれば、100年以上の寿命を持つ可能性もあるでしょう。これにより、現代の集成材は非常に高い耐久性を持ち、長期間にわたり安心して使用できる建材として評価されています。

このように、集成材はその耐久性が非常に高く、使用環境に応じて長い寿命を持つことが期待されているのです。適切な基準を守り、耐久性の高い接着剤を使用することで、さらに長持ちする集成材が開発されていくかもしれません。

出典元:日経クロステック

木造建築の寿命はどれくらい?

画像引用元:Photo AC

日本は海外と異なり、木造での建築が主流のため、CLTと異なり寿命のデータが残されています。特に歴史的建築物の法隆寺は、1000年以上経った現在も倒壊せず保ったままです。法定耐用年数と寿命の違い、木造住宅の寿命も知っておくとCLTと比較しやすくなります。

◇法定耐用年数が寿命ではない

建物には法定耐用年数というものが設定されており、木造は22年、コンクリート造が47年とされています。しかし、この法定耐用年数は建物の寿命というわけではなく、税金の計算で用いる数値です。そのため、コンクリート造の法定耐用年数が長いからといって木造よりコンクリート造の耐久性が優れているというわけではありません。

◇木造の寿命はどれくらい?

木造住宅の寿命は、フラット35基準で50〜60年、劣化対策等級3の場合は75〜90年です。また、近年の住宅で多い長期優良住宅認定基準では100年程とされています。

ただし、この寿命は定期的なメンテナンスをしているのが前提のため、こまめな掃除や定期メンテナンスを業者に依頼するのが必要です。適切なメンテナンスを行えば、100年以上に伸ばせる可能性もあります。

CLTの耐用年数は100年以上?

CLT工法の耐用年数と一般的な木造住宅の耐用年数は異なるため、CLT工法の住宅と木造住宅の耐用年数を比較して、CLT工法の利点を知った上でマイホームを決めるのがおすすめです。

◇CLTは100年以上保つとされる

CLT工法の住宅の寿命は、まだ判断できないとされていますが国産木材を使ったCLT木材の場合、耐用年数は100年以上とされています。通常、CLT工法のような接着剤を使用しての建築物は、接着剤の劣化により耐用年数が短くなるのが特徴です。

しかし、接着剤を適切なものに変えると100年以上の耐久性能を持った建物にできます。また、国産木材は腐食に強く、耐久性に優れているため法隆寺のように1000年以上経っている建築物でもメンテナンスを行っていれば長期間保てるのが国産木材の特徴です。

◇CLTは環境に優しい

CLT工法は、環境問題に配慮されているのも利点といえます。CLT工法が注目される前は、国内の木材の高騰や人手不足などさまざまな要因で国内の木材がほとんど使用されておらず、木も伐採されないまま放置された森林が多くありました。木は伐採しないままにしておくとCO2の吸収量が減ってしまいます。

しかし、CLTは木材をたくさん使用するため、近年では木の伐採と植樹が行われ始めており、木の循環サイクルを円滑に行いCO2削減に貢献できるのも利点のひとつです。

CLTのメンテナンス方法とは?

CLT工法で建てられた建築物の耐用年数を伸ばすには、適切なメンテナンスを行わなければなりません。主なメンテナンス方法や気をつけるべきポイントは次の2つです。

◇表面を防腐処理

板を積層接着しているCLTは、湿気や日射に長期間さらされていると表面が自然劣化します。劣化の原因もさまざまで湿気によるカビの発生や日射による乾燥・紫外線ダメージなどが原因です。そのため、外観など日射や雨に直に当たるような部分にCLT木材を使用する場合は、防腐処理を施して劣化を防ぐ必要があります。

しかし、同じ外観で防腐処理をしていても屋根・軒などの部分は劣化が進みやすいのが特徴です。この劣化により、腐朽してしまう事例も少なくありません。

◇周辺環境を確認

CLT工法など木造住宅を建てる際は、地域性や周辺環境をあらかじめ確認しておくのも重要です。木材を外観に使用する際は特にCI値という木材風化の気象指標を考慮する必要があります。CI値は地域によって異なり、北より南の地域ではこの数値が高い傾向にあり、劣化がしやすいといえます。

高温・降水量・日射量はCI値に影響を及ぼす要素で、東海地方・九州南部・沖縄地方は特に影響を受けやすいです。また、北方面の地域であっても夏に高温になり、冬は降水量が多い北陸・山陰地方なども注意が必要となります。

気象以外にも土地・風土をチェックして対策やメンテナンスを考慮しなければなりません。例えば海が近い場合は、塩害のリスクがあり、特に金属の腐食しやすいため、対策と定期的なメンテナンスが必要です。さらに周辺に川など湿気が多い場合は、カビが発生しやすいため海・川といった水辺が近い土地には防腐処理などを施しましょう。


近年、CLT(Cross-Laminated Timber)木材を使用した建築物が世界的に増加しており、その耐久性や耐震性の高さが注目されています。しかし、CLTの寿命についてはまだ確定されていません。一般的な木造住宅の寿命は50〜100年程度であり、CLTの耐用年数は100年以上とされていますが、実際の長期耐久性は接着剤や外部要因によって異なります。

日本でもCLT×S造のハイブリッド型など、様々な形態のCLT建築が増えてきています。しかし、CLTを使った建築物が数百年や数千年といった長期間経過している例はまだありません。そのため、現段階ではCLTの寿命を正確に予測することは難しい状況です。

木造建築の寿命は、地域や気候条件、管理状況によって異なります。一般的な木造住宅の寿命は50〜100年程度ですが、適切なメンテナンスを行えば100年以上も持続させることが可能です。法定耐用年数と建物の寿命は異なるため、建物の長期的な管理計画が必要です。 CLT工法の建築物は100年以上の耐用年数が期待されますが、接着剤の劣化や外部要因によってもたらされる影響も考慮する必要があります。

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