杉と檜の良いとこ取り!ハイブリッドCLTの特徴とは?
杉と檜の良いとこ取り!ハイブリッドCLTの特徴とは?
2024/05/30
杉は耐久性、断熱性、調湿性、美しい木目と環境配慮が特徴ですが、傷つきやすく湿気に弱い欠点があります。檜は耐久性、強度、防腐性、湿度調整、美しい木目と香りが魅力ですが、高価で湿気に弱い欠点があります。これらを補完する檜と杉のハイブリッドCLTは、強度と経済性を兼ね備えた優れた建材で、住宅設計において理想的な選択肢です。
住宅には杉と檜どちらが良いのか?
杉のメリットは耐久性、強度、断熱性、調湿性で、美しい木目や色調が自然の温もりを提供し、環境に配慮した選択肢です。檜も耐久性、強度があり、湿度調整に優れ、美しい木目と色調で居住空間に温かみをもたらします。
◇杉のメリット
杉を注文住宅の木材として選ぶメリットは多岐にわたります。
まず、杉は耐久性があり、日本の変わりやすい気候にも耐え、腐りにくい性質があります。また、軽量でありながら強度を持ち、地震が頻発する地域では安心感があります。さらに、断熱性と調湿性に優れ、快適な居住空間を保つ助けとなります。
美しい木目や色調も魅力のひとつで、自然の温もりを家にもたらします。環境にも配慮した選択肢であり、再生可能な資源として持続可能な森林管理に貢献します。
そして、心地よい香りはリラックス効果をもたらし、居住空間全体に心地よい雰囲気を醸し出します。ただし、傷つきやすい性質もあるため、使用箇所には慎重に考慮する必要があります。
◇檜のメリット
檜を注文住宅の木材として選ぶメリットは多岐にわたります。まず、その耐久性と強度が挙げられます。日本の気候条件や湿度に順応し、防腐性に富み、害虫やカビに対する抵抗力が高いため、住宅の長寿命化に貢献します。また、湿度調整に優れ、居住空間の快適さを確保します。
美しい木目と色調は、自然の美しさと温かみを家にもたらし、リラックス効果のある香りは快適な居住空間を演出します。軽量でありながら耐震性も兼ね備え、地震に対する安心感も提供します。
環境に配慮し、再生可能な資源として持続可能な材料として活用できる点も大きな魅力です。ただし、アレルギー反応を引き起こす可能性や高価な傾向があるため、慎重な選択が必要です。
杉と檜にはそれぞれに欠点がある?
杉の欠点は傷やシミがつきやすく、雨などで腐ったり反ったりすることです。檜の欠点は高価で職人の人件費がかかることや、湿気で反りや膨張することです。
◇杉の欠点
杉板の欠点としては傷やシミがつきやすいことが挙げられ、外観を重視する場合には考慮すべきです。また、木材であるため雨などの水分によって腐ったり、反ったり、割れたりする可能性もあります。
これらの点に留意しつつ、杉材を選択する際には注意が必要ですが、その耐久性や自然の美しさを考慮し、バランスのよい視点で検討することが重要です。
◇檜の欠点
檜の主な欠点は高価であることです。また檜を扱う職人の人件費もかかるため、合成フローリングと比べて割高になりがちです。しかし、耐久性が高く、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスは高いと言えます。
また、湿気を吸収すると反りや膨張しますが、丈夫であるため他の無垢材よりも変形しにくい傾向があります。これらの点を考慮しつつ、檜を選択する際には費用と耐久性のバランスを検討する必要があります。
杉と檜の長所を併せ持つハイブリッドCLTとは?
ハイブリッドCLTは異なる木材の特性を活かし、優れた性能を持つCLT材を生み出します。スギとヒノキ、コナラとスギの組み合わせで、軽量で耐久性が高く、曲がりにくい建築材料となります。
◇杉と檜のハイブリッドCLTが活躍
ハイブリッドCLTは、複数の木材を組み合わせて製造されるCLT(Cross Laminated Timber)木材の一種です。この製法では、異なる種類の木材を組み合わせることで、それぞれの木材の特性を活かし合い、品質の高いCLT木材を生み出します。スギ・ヒノキハイブリッド材は、その代表例です。
スギは明暗が明らかで軽量でありながら粘りがあり、折れにくい性質を持ちます。一方、ヒノキは美しい見た目と防腐防虫性能などの高い耐久性を特徴としています。ハイブリッド材では、スギの軽量さや粘りとヒノキの美しさや耐久性を組み合わせることで、CLT材料として優れた性能を実現します。
このように、ハイブリッドCLTは異なる木材のよい部分を組み合わせることで、より優れた特性を持つ建築材料となります。
◇コナラと杉の組み合わせも登場している
コナラと杉のハイブリッドCLTは、里山の広葉樹と杉柾目を組み合わせた直交集成材です。表面にはコナラや栗などの広葉樹が使用され、コア材には杉柾目が採用されています。この組み合わせにより、軽量でありながら曲がりにくい特性を持ちます。
特に広葉樹の練り付けべニアのような無垢感があり、多様な用途に活用できます。例えば、キッチンの前板や収納の扉、変形する什器など、曲がりにくさを活かしたデザインが可能です。
ハイブリッドCLTは意匠の面白さを活かした製品開発につながると共に、広葉樹林の経済価値向上や杉の大径材の歩留まり向上に貢献し、社会的な価値も高い素材と言えます。
杉と檜のハイブリッドCLTの強みとは?
檜と杉のハイブリッドCLTは、高い曲げ強度を持ち、檜のみのCLTに匹敵する強度を発揮します。製造コストが抑えられるため、経済的な面でも優れた選択肢となっています。
◇檜のみの建材に匹敵する強度
檜と杉のハイブリッドCLTは、檜CLTの強度「Mx90」に匹敵する高い曲げ強度を発揮します。このハイブリッドCLTは、外層ラミナに曲げ強度を持つ檜のラミナを配置し、内層ラミナには杉のラミナを使用することで、檜CLTと比べても劣らない強度を実現しています。
さらに、この製品は檜のCLTよりも製造コストを抑えることが可能です。そのため、建築物の設計において必要な強度を確保しながらも、経済的な面でもメリットを提供します。
これにより、檜と杉のハイブリッドCLTは高い強度と経済性を兼ね備え、建築業界における注目の素材となっています。
◇檜のみのCLTよりもコストがかからない
檜CLTは高い曲げ強度を持ちながら、杉CLTと比べると素材価格がやや高く、高価な製品です。一方、杉CLTは檜CLTよりも安価に製造できますが、曲げ強度が不足する場合があります。しかし、檜と杉のハイブリッドCLTは檜のCLTよりもコストがかかりません。
このハイブリッドCLTでは、檜の強度を維持しつつ、杉の素材を組み合わせることで、製造コストを抑えることが可能となっています。そのため、建築物の設計において必要な強度を確保しつつ、経済的な面でも優れた選択肢となります。
杉と檜の住宅用木材の特徴を比較すると、杉は耐久性、断熱性、調湿性に優れ、美しい木目と色調が特徴で、環境に配慮した選択肢です。
地震に強く、快適な居住空間を提供しますが、傷つきやすく、湿気で腐りやすい欠点もあります。
一方、檜は耐久性、強度、防腐性が高く、湿度調整に優れ、美しい木目と香りがリラックス効果をもたらしますが、価格が高く、湿気で反りや膨張することがあります。
これらを補完するため、檜と杉のハイブリッドCLTは、檜の強度と杉の経済性を兼ね備え、製造コストを抑えつつ高い強度を実現する優れた建材です。これにより、住宅設計において強度と経済性を両立させる選択肢となっています。