CLTの使い方・工法とは?注目される理由や施工業者選定を解説
CLTの使い方・工法とは?注目される理由や施工業者選定を解説
2024/01/18
CLTパネル工法は、大判の木材パネルを使用した建築方法です。耐火性、軽量性、耐熱性、耐震性、デザインの自由度の5つの特性を持ち、さまざまな用途に用いられます。ただし、採用する際には信頼性の高い業者の選定が不可欠です。
CLTパネル工法の特性と用途
CLTパネル工法は、大判の木材パネルを壁や床、屋根に使用した工法です。耐震性や断熱性に優れ、工期が短いのが特徴です。軸組み工法+CLTは、在来軸組工法にCLTを組み合わせた工法です。耐震性をさらに高めることができます。また、混構造は、CLTと他の構造形式を組み合わせた工法です。デザインの自由度が高く、大規模な建物にも適用できます。
◇CLTパネル工法
大判パネル材は、水平および鉛直な力を支える壁として使用され、その工法は大きさや接合方法によって小幅パネル加工と大判パネル加工に分類されます。この材料は火が付きにくく、燃えても広がりにくい特性を持っており、そのため防火性のある設計に利用されます。
積み木やブロックを使用して家やビルを建てる感覚に近く、特に共同住宅やホテルなど、壁が多く必要な用途に適しています。
◇軸組み工法+CLT
CLTは横架材や柱としての機能を果たすことが難しく、木造軸組工法が基本とされています。そこで主に水平力または鉛直力のみを受け持つ壁や床板として、在来軸組工法に加えてCLTを使用することで構造の強度が向上します。通常、大規模な建物や中高層建築物の構築において活用されます。
◇混構造
CLTを用いた木造軸組工法や鉄骨造などの立面混構造は、床や壁などにCLTを組み込む方法です。一般的に、異なる構造形式が同一層に混在する場合、設計法が複雑なる傾向があります。
同一層内で各層を分ける場合は問題ありませんが、異なる構造形式が共存する場合は、設計上の課題が生じます。
CLTが建築素材として注目されている理由
CLTは、軽量で施工期間が短く、耐熱性や耐震性に優れ、デザインの自由度が高い建材です。
◇軽量で施工期間の短縮につながる
CLTを使用した建築は、コンクリートを用いた建物よりも迅速な施工が可能です。事前に形状が加工され、現場では組み立てるだけなので、工期を著しく短縮できます。
加工済みであるため、コンクリートのように固まるまでの養生期間も不要です。作業効率の向上により、大規模な建物の工期を劇的に削減できます。
例えば、コンクリートで1階あたり5日かかる作業が、CLTなら2日ほどで組み立てが完了します。
また、同じサイズの鉄筋コンクリートが1㎥あたり2.4 tであるのに対し、CLTは1㎥あたりわずか0.5 tと、約5分の1の軽さであるため、その軽量さが施工期間短縮に貢献しています。
◇耐熱性や耐震性に優れる
木造建築において懸念される一つの問題は、火災に対する弱さです。しかし、CLTは、表面が炭化するものの、毎分約1㎜のペースでゆっくり燃え進み、例えば厚さ90㎜の壁が1時間燃えても焼け落ちないことが確認されています。
さらに、CLTは優れた断熱性を有し、同じ厚さ90㎜でもコンクリート120㎜とほぼ同等の性能を持っています。CLTは熱伝導率がコンクリートの1/10、鉄の1/350と非常に低いため、冬は暖かく、夏は涼しい環境を提供し、理想的な壁面建材と言えます。
さらに、CLTは地震に対しては優れた耐震性を発揮します。実際、阪神大震災のような大規模な地震を想定した振動台実験では、CLT建築の変形はわずか3cmほどであり、大地震の後でも損傷が少ないという結果が得られています。
◇デザインの自由度が高い
柔軟な対応が可能な建築手法を採用し、凹凸のあるデザインや高い建物の構築にも対応しています。パネルを組み合わせることで、箱型以外の建物でも自由な設計が可能です。壁の開口部も柔軟に配置でき、美しい外観を実現することができます。
CLTの使い方を熟知する専門業者に相談
CLTの普及が進まない背景には、設計者の知識や技術不足、建築コストの高さなどがあります。CLTを採用する際には、信頼性の高い業者の選定が不可欠です。
◇CLTの日本での普及が進んでいない現状
CLTの普及が進まない背景には、設計者が抱えるさまざまな課題が関与しています。CLTの設計者は、計算法や設計式、そして接合部の開発において合理化や簡易化、標準化を図る必要があります。
同時に、CLT工法の建築モデルに関する情報を公開し、設計者が考えた設計を実現することも求められます。しかし、CLTはその複雑性から設計を反映することが難しく、これをプログラムとして実用化し、ニーズに合わせたデジタル化仕様に進化させない限り、将来のCLTの発展が妨げられる可能性があります。
設計者の知識や技術不足も一因であり、建築における費用が高いことも問題視されています。CLTには製造・施行・耐火関連のコストがかかるため、採用すると予算を超過するリスクがあります。
これらの課題に対処するためには、設計者が計算や設計において効率を向上させ、かつその結果をプログラムとして具現化するスキルや手法が必要です。同時に、CLTの関連コストの抑制が求められ、効果的なコスト管理がCLTの普及を促進する鍵です。
◇技術の高い業者の起用が不可欠
CLTの採用には、高いコストや経験不足に関連するさまざまな課題が存在します。そのため、信頼性の高い業者の選定が不可欠です。知識や経験が不足している場合、設計や施工段階での誤りや問題が発生する可能性があり、これはプロジェクトの進行を遅らせる要因となる場合があります。
信頼性の高い業者を選ぶことで、彼らの専門知識と経験を活用し、これらの問題を最小限に抑えることができます。さらに、経験豊富で専門知識を有する業者が、CLTの利点を最大限に引き出し、効率的かつ安全な建築プロジェクトを実現することが重要です。
◇業者の素材の質と製造能力を確認
CLTは比較的新しい建築材料であり、現在、日本では一般社団法人日本CLT協会によってJAS(日本農林規格)に準拠するCLT木材を製造・販売できる業者は8社しかありません。
また、CLT木造パネルの加工のみを行う企業は14社存在していますが、原盤の木材からCLTの製造、そしてパネルまでの一貫加工ができる企業は全国的に限られています。
このため、CLTを使用した建築物を検討する際には、CLTの建築実績を持ち、信頼できる専門業者の選定が非常に重要です。
CLTパネル工法は、大判の木材パネルを使用した建築方法です。この工法にはさまざまな特性があり、さまざまな用途に用いられます。
まず、CLTは耐火性と防火性に優れています。火が付きにくく、燃えても広がりにくいため、防火性の高い建築設計に利用されます。これにより、安全性が向上します。
また、CLTは軽量で施工期間が短縮できる特性も持っています。加工済みで現場で組み立てるだけなので、工期を著しく短縮できます。また、軽量なため、施工が迅速に行えます。これは大規模な建物の工期を削減するのに役立ちます。
さらに、CLTは耐熱性と断熱性にも優れています。熱伝導率が低く、優れた断熱性を持っており、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を提供します。これにより、快適な居住空間を実現できます。
また、CLTは耐震性にも優れており、大地震の際にも損傷が少ないという結果が得られています。これは安全性を高める重要な要素です。
最後に、CLTはデザインの自由度が高いため、各種建築用途に適しています。共同住宅やホテルなど、壁が多く必要な建物にも適しています。また、CLTを軸組み工法に組み合わせることで、耐震性を向上させ、大規模な建物にも利用できます。
ただし、CLTを採用する際には、信頼性の高い業者の選定が不可欠です。CLTの知識と経験が必要であり、専門業者を選ぶことで、効率的かつ安全な建築プロジェクトを実現できます。