CLT建築は費用が高い?メリット・デメリットについても解説
CLT建築は費用が高い?メリット・デメリットについても解説
2023/10/31
CLT木材とは?CLT建築の費用についても解説
CLTとは、木材の繊維方向を交互に変えて貼り合わせた板のことです。
CLT工法は、CLT板を壁や柱として立てたり、床や屋根として寝かせたりして建物を組み立てる工法を指します。壁が多い用途に適しており、積み木やブロックで家やビルを作るような感覚で施工できる点が特徴と言えます。
CLTは、集成材と合板の特徴を兼ね備えた材料で、大変高い強度を持っています。また、耐火性や耐震性も高く、木造建築では困難だった高層建築も実現可能です。
CLTは、1994年にオーストリアで開発されました。その後、欧米を中心に普及していきました。日本では、2016年にCLTに関する法律が施行され、CLTの製造や施工が認可されました。
現在、日本では、国や地方自治体などがCLTの普及に取り組んでおり、多数のCLT建築が造られています。
CLT建築が推進されている理由は主に2つです
・産業の活性化
・環境負荷が低い
・森林の有効活用ができる
CLTは、間伐材や端材などの価値の低い木材でも製造できるため、森林資源の利用効率が向上します。
さらに、森林の間伐や伐採は、森林環境や生態系にも良い効果を及ぼします。
・木造建築の需要が増える
CLT工法は、木造建築の工期や費用を減らすことができるため、木造建築に対する関心が高まると予想されます。
これに伴って、木造建築関連の産業や雇用も活発になります。
・CO2の吸収・固定ができる
CLTは、木材が持つCO2を吸収・固定する機能を有します。
これにより、温室効果ガスの排出量を抑えることができます。
・解体時のエネルギー消費が少ない
CLT住宅の解体に必要なエネルギーは、鉄筋コンクリート住宅や鉄骨住宅よりも少ないとされています。
また、解体後のCLTは再利用やリサイクルがしやすいため、廃棄物の量も減らすことができます。
建設費用はいくらですか?
CLT建築の建設費用は、まだ事例が少ないことから、一律には決められていません。
建物の設計やCLTの使用箇所、加工の段階によって異なります。
工場に直接お問い合わせください。
CLT建築のメリット
CLTとは、木材の繊維方向を交互に変えて貼り合わせた板のことです。このCLTを使って建物を建てる方法がCLT工法であり、CLT工法で作られた建物のことをがCLT建築と言います。
CLT建築のメリットは以下の通りですにはメリットがあります。
– 施工が早い
– 軽い
– 地震に強い
– 耐火性・耐熱性・断熱性が高い
施工が早い
CLTは、工場であらかじめ加工されたものが現場に運ばれるため、現場での作業時間が大幅に短縮されます。また、CLTは接合部分が少なく、簡単にネジやボルトで固定できるため、施工がスムーズです。
軽い
CLTは、鉄筋コンクリートよりもかなり軽い材料です。鉄筋コンクリートの約1/5程度の重さで、基礎や構造体への負担を減らします。
地震に強い
CLTは、木材のしなやかさと強さを兼ね備えており、地震の揺れに対しても耐えることができます。また、CLTは壁や柱として機能するため、剛性が高く、建物全体が一体となって動くことで倒壊を防ぎます。
耐火性・耐熱性・断熱性が高い
CLTは、木材が燃える際に表面に炭化層を作ることで、内部への火炎や熱の伝達を遅らせる効果があります。
これにより、CLTは鉄筋コンクリートや鉄骨よりも優れた耐火性を持ちます。また、CLTは木材自体が断熱性に優れており、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現します。
CLTは中層建築物において、鉄筋コンクリートと比較して多くのメリットを持っています。中層建築物とは、一般に4階から10階くらいの高さの建物のことです。
CLTは工場で事前に製造・加工されるので、現場での作業が少なくて済み、工期を短くすることが可能です。さらに、軽量なので基礎や構造体への負担も少なくなり、地盤が弱い場所や既存の建物の上に新しく建てる場合にも適しています。
しかし、高層建築物では、CLTの強度や耐火性が十分でない場合があるため、注意が必要です。また、低層建築物では、CLTのコストが割高になる場合があるため、慎重に検討する必要があります。
これらの問題点は将来的に技術の進歩により改善されるかもしれませんが、現在はCLTは中層建築物に特化した素材と言えます。
CLT建築のデメリット
CLT建築とは、木材を直角に交差させて重ね合わせた板状の建材を使った建築手法です。
火事や地震に対する耐性が高く、環境負荷が低く、居心地が良いという利点がありますが、欠点も存在します。
CLT建築の欠点は主に2つあります。
コストが高い
生産が困難
コストが高い
ヨーロッパでは先進的な設備を活用しているため、低価格で提供できていますが、日本ではまだ高価です。これは、日本ではCLTの需要が少なく、供給量や競争力が低いことや、海外からの輸入品に対する関税や検査料金が発生することなどが理由です。
生産が困難
欧米ではトウヒ(ヨーロッパスプルース)を材料としていますが、日本ではスギを材料としています。スギは含水率が高く、乾燥させるのに時間がかかるため、CLTの生産には特別な技術や設備が必要です。さらに、スギはトウヒと比べて強度や耐久性が劣るため、品質管理にも配慮が必要です。
今後は技術やコストの改善によって、もっと普及する可能性があります。