政府も後押ししているCLT!量産化できるメーカー4選
政府も後押ししているCLT!量産化できるメーカー4選
2023/06/15
日本政府はCLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー)の普及を推進し、耐震性や防火性を評価しています。2013年にJAS規格を制定し、2016年に建築基準法が改正されました。主なメーカーはティンバラム、銘建工業、サイプレス・スナダヤ、山佐木材で、今後は量産化によるコスト削減が期待されています。
日本政府が推進するCLTの普及とその背景とは?
日本政府は、CLTの普及に力を入れています。CLTは木材を層状に重ねて接着剤で固めた建材で、環境に優しい建築が可能です。
2013年12月に日本農林規格(JAS)が制定され、CLTの品質と安全性が保証されました。また、2016年4月には建築基準法の改正が行われ、CLTの使用が広く認められるようになりました。特に、日本の地震対策としてCLTの耐震性が評価されています。
林野庁もCLTの活用に前向きで、中高層建物の木造化を進めています。木造建築の普及は、環境保護と地域産業の振興に貢献します。2025年の大阪・関西万博では、日本館にCLTが主要な建材として使用される予定で、これによりCLTの特性と持続可能性が国内外に広く伝えられることになります。
政府は環境保護や地域産業の発展、建築技術の進歩を重視し、CLTの普及を支援しています。今後も政府の取り組みでCLTの活用が進み、持続可能な社会の実現が期待されます。
CLTを量産できるメーカー4選
2016年にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行されて以降、日本国内では多くのメーカーがCLTの生産を本格的に行うようになりました。そんななかで特にCLTの量産を得意としているメーカーとしては以下の4社が挙げられます。
ティンバラム
ティンバラムは木造建築のすべての工程を行えることを強みとするメーカーです。本社は秋田県にあり、岩手県と東京都にも営業部を構えています。ティンバラムの特長として、高品質と精度が挙げられます。最新の技術と豊富な経験に基づき、高品質な木材製品を提供しています。集成材やプレカット部材は厳格な品質管理のもとで製造され、正確な寸法と高い精度が保証されています。
「まだないカタチを木でつくる」をスローガンに、木の魅力を活かした多様な建材の製造を行っており、CLTの製造もその一環として行われています。また、工場は秋田県内の5カ所に存在し、年間生産能力が非常に高いことも大きな魅力のひとつとして挙げられます。
耐震性と耐火性の向上もティンバラムの特徴です。製品は耐震性と耐火性に優れており、安全な建築物の構築をサポートします。また、デザインの自由度も高いです。柔軟な構造設計と正確なプレカット加工により、建築家や設計者に多様な表現の可能性を提供します。斬新なデザインと機能性を両立させることができます。
銘建工業
銘建工業は1923年に創業し、木材に注目しながら製材、集成材、木造建築、バイオマス、そして最近ではCLTに挑戦し続けてきました。銘建工業は日本で最初にCLTへの取り組みを始め、2016年には国内初の量産工場を稼働させるなど、開発と普及を進めてきました。
銘建工業はCLT市場を開拓し、木造建築を普及させることで、持続可能な社会の実現を目指しています。特にCLTの生産技術の高さは大きな魅力のひとつであり、3m×12mの大型CLTの生産なども行っています。また、スギやヒノキに加えて、カラマツやトドマツなどの多様な木材の加工に対応していることも強みのひとつです。
また、木くずも100%活用する仕組みを確立し、木を使い切ることを大切にしています。技術開発や共同研究にも取り組みながら、地域と連携し木を循環させる仕組みを整備し、CLTと発電を組み合わせることで木造建築のリーディングカンパニーに成長していくことを目指しています。
サイプレス・スナダヤ
サイプレス・スナダヤは、愛媛県を拠点にする1892年創業の老舗メーカーです。長年の経験とノウハウを活かし、最新の技術を取り入れながら木材生産に取り組んできました。そのため、高い評価を得ています。
特にCLTにおいては、スギやヒノキなど国産の木材を使用し、自社で一貫して生産しています。自社一貫生産により、品質管理を徹底し、高品質な製品を提供しています。また、年間の生産能力も高く、需要に応じて大量の製品を供給することが可能です。
さらに、サイプレス・スナダヤは製品の保証サービスにも力を入れています。顧客に安心して製品を利用してもらうために、品質の保証やアフターサービスを提供しています。
山佐木材
山佐木材は鹿児島県を拠点とするメーカーであり、国内で初めてJASスギ構造用大断面集成材の認定を受けたことで知られています。この認定は、優れた品質と安定性を持つ製品であることを示しています。
また、山佐木材はCLT(直交集成板)にも注力しており、2014年にはJAS認定を受けるなど、早い段階からCLTの生産に取り組んできました。さらに、CLTの研究にも積極的に取り組んでおり、その性能向上に努めています。CLTの特性を最大限に引き出し、高い品質と安全性を確保することに力を入れています。
これらのメーカーは総じてCLTの量産を行っている点で共通する強みを持っており、政府が主導するCLTの推進においても重要な役割を担っています。
今後の量産化がコスト削減のポイントに
CLTの加工には手間がかかるため、現在はコストが高くなっています。このため、CLTの価格が上昇し、普及が難しくなっています。また、国内の供給体制が整っていないため、需要に応えきれていないことも価格上昇の原因です。
しかし、CLTには建築工期を短縮できるという利点があります。建設が速く進むことで、全体的にはコスト削減につながることもあります。
ただし、現状では価格が高いのは変わりません。将来的には量産化によって生産コストが下がり、価格も安くなることが期待されています。
そのためには、生産効率の向上や多くの生産拠点の確保が必要です。さらに、政府がCLTの普及を進めるために、企業支援や消費者向けの助成金制度を設けることも考えられます。
日本政府はCLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー)の普及を推進し、環境に優しい建材として評価しています。2013年にはCLTの製造規格JAS(日本農林規格)が制定され、2016年には建築基準法が改正され、CLTの使用が認められました。
これにより、耐震性や防火性が評価され、普及が進んでいます。また、林野庁もCLTの中高層建築物への活用を支持しており、2025年の大阪・関西万博ではCLTが主要な建材として使用される予定です。
CLTの量産を行っている主なメーカーには、ティンバラム、銘建工業、サイプレス・スナダヤ、山佐木材があります。ティンバラムは高品質な木材製品を提供し、耐震性と耐火性を重視しています。
銘建工業は日本初のCLT量産工場を運営し、木材の循環利用に取り組んでいます。サイプレス・スナダヤは国産木材を使用し、高品質な製品を提供しており、保証サービスも充実しています。山佐木材はCLTの研究と品質向上に注力し、JAS認定を取得しています。
CLTのコストは加工手間や供給体制の不足により高騰しており、量産化が価格削減の鍵とされています。政府の支援や効率的な生産プロセスの確立が、今後のCLT普及のカギとなるでしょう。