銘建工業株式会社は建材の総合メーカー!木材の可能性を見据えて挑戦
銘建工業株式会社は建材の総合メーカー!木材の可能性を見据えて挑戦
2023/03/03
建築業界において大きな変革をもたらしたCLTは、既に多種多様な建築物の建設現場において建材として使用されています。このような業界全体での変化に伴い、建設業を営む企業の多くはCLTを活用した新たな工法に対応するようになっており、CLTを用いた建築が可能な業者選びにおいては選択肢が増えつつあります。
このことは建材メーカー選びにおいても同様で、その選択肢のひとつとなるのが建材の総合メーカーとして知られる「銘建工業株式会社」です。
創業以来「木材の可能性」を見据え挑戦
銘建工業株式会社の創業は1923年。創業当時から「木材の可能性」を追求することを基本理念としており、時代の変化に伴って登場したさまざまな木材を積極的に生産してきました。
そんな銘建工業株式会社では製材、集成材、木造建築、バイオマスなどの技術を通じて木材の可能性を追求し続け、近年では高層ビル用の建材などとしても多くの注目集めているCLTを使用した建設も行っています。また、現在では国内トップシェアを誇る構造用集成材・CLTのメーカーとしても知られており、この点は同社の大きな魅力のひとつとして挙げられます。
そのほか、同社では木造建築を構造設計から製造・加工、施工までを一貫で対応。建設現場などで排出される木屑を資源として再利用するといったこだわりも持っています。
「製材」から始まり「集成材」の生産へ
1923年に創業した銘建工業株式会社。当時の名称は「中島製材所」で、主に製材を行っていました。この中島製材所は製材技術力の向上にも力を入れていたことから、その過程では付随する作業のノウハウも着実に習得していき、1970年には当時の日本ではまだ普及していなかった集成材の生産をスタートします。
このことは中島製材所にとって重要なターニングポイントとなり、これを契機に「銘建工業株式会社」に社名を変更します。木材を主として扱っていながら「林業」ではなく「工業」と名付けたのは、木材を加工する工業を営んでいこうという強い思いがあったためと伝えらえています。
以後、銘建工業株式会社は着実にその規模を拡大していき、とりわけ本社工場では時代の変化に対応するための新たなラインの増設が定期的に実施されました。このように同社の歴史には先端技術を早い時期から取り入れてきたという特徴があり、CLTの生産にもいち早く対応することができたのです。
いち早く「CLT」に取り組み、年間製造能力は全国トップに
今日の銘建工業株式会社の大きな特徴として挙げられるのが「CLTの大量生産」です。同社がこのCLTに目を付けたのは、ヨーロッパにおける中高層木造建築の増加を目の当たりにしたことがきっかけでした。
日本国内においてCLTを使用した高層ビルなどの建設事例が多くなったのは2010年代後半からですが、同社では2010年にいち早くスギやヒノキを使用したCLT製造を国に提案。この働きかけが功を奏し、2016年には国内初のCLT量産工場を設立し、本格的なCLTの生産をスタートします。
以後、同社ではスギやヒノキだけでなくカラマツやトドマツを使用したCLTの生産も開始。今日では年間製造能力が3万㎥をにまで達しており、この数値は国内のCLT生産8工場のなかでもトップに位置します。
また、同社のCLT量産工場ではヨーロッパ産の機械を使用した集成材の加工と並行したCLT生産を実施。この生産手法は効率性の高さにおいて大きなメリットがあり、2021年にはその売上が351億円に達しました。
CLT利用の実績
日本国内において極めて早い時期からCLTの量産を行ってきた銘建工業株式会社。同社で生産されたCLTは既に数多くの建築物で建材として使用されています。
同社のCLTを使用している建築物のひとつとして挙げられるのが高知おおとよ製材株式会社のCLT社員寮です。2014年3月竣工のこの建物は日本で初めてCLTを構造躯体として使用した建物で、美しい木目を活かした内装と外観が大きな特徴となっています。
銘建工業株式会社が生産したCLTを使用している建築物はこのほかにも多数存在します。代表的なものとしてはJR南松本駅待合所や六甲最高峰トイレ、真庭市立中央図書館などが挙げられ、いずれも木材ならではの温かみを伴うデザイン性の高さが好評を博しています。
発電にも注力!CLTと双方エンジンで木造建築時代をリード
木材を生産する企業の大きな課題として挙げられるのが、その生産工程で排出される木屑の活用です。この点において銘建工業株式会社では木屑を燃料として再利用する取り組みに力を入れています。
この取り組みはCLTや集成材などの生産工程で発生するプレーナー屑や端材を燃料としてバイオマス発電を行うもので、同社ではこの取り組みを創業当時から行っています。この取り組みでは最終的に工場の電力を賄うだけでなく売電も行っており、このことにはバイオマス発電とCLTを合わせ、木造建築の時代をリードしていくという同社の理念が表れているといえるでしょう。
今日のさまざまな局面でSDGsが重視される社会において、同社が行うバイオマス発電は広く注目を集めており、事業の先端性や生産性だけを追求しているわけではない点もまた大きな魅力のひとつとして挙げられます。
CLT製造メーカーのパイオニア的存在である銘建工業株式会社には、CLTに関する知見が豊富であるという大きな魅力があります。また、同社ではCLTの生産だけでなく、中・大規模木造建築物の建設計画から建て方までのコンサルタントや設計補助業務、木質構造の建築請負業務なども実施。これらの業務に関しても豊富なノウハウがあります。